医療法人孝友会槇眼科医院

歴史の上に、「今」という希望を積み重ねて。

医療法人孝友会槇眼科医院は明治37年、曽祖父である“槇 清太郎”が福岡県久留米市に開業いたしました。以来、120余年にわたって患者様の目の健康と豊かな生活をサポートするべく、スタッフ一丸となって医療提供を行っています。長らくお付き合いのある患者様から、新たな眼科治療を求めて来院される患者様まで、私達は一つひとつの症状にしっかりと向き合い、地域医療の一翼を担ってまいります。

01 俯瞰の目をもってクリニックを円滑に

――――槇眼科医院では、先代院長の代から今なお活躍されているスタッフの方が多いと伺いました。幅広い年齢層の方々と組織を運営することについて、どのようにお考えでしょうか。

30代のスタッフもいますが、中心となっているのは60~70代の人ですね。スタッフの方々は10代の頃からうちに住み込みで看護学校へ通い、父の傍で仕事をしてきた人達です。父に近い人達だったからこそ、事業承継で理事長になった私に対して、スタッフの方々が正直なところどのように感じていたのかはわかりません。しかし、父の亡くなった翌日から喪服の上に白衣を羽織って診察を行う私に伴走し、そして今日を共に迎えてくれているということは、揺るぎない信頼が互いにあるからこそだと信じています。一方で、私の代になってから入ってくれたスタッフは、パソコン操作が早かったり、新しいことの飲み込みが早かったりと、こちらも助けられている存在です。先代がよく言っていた「誰も欠けてはならない」という言葉通り、円滑な仕事には1人1人の存在や役割が不可欠なのだと痛感しています。そんなスタッフの方々とできるだけ円滑に仕事ができるよう、誰かの調子が悪そうなときは一言掛けたり、注意をした後は冗談を言って笑顔で終わるようにしたりと、とにかく明るい職場であるように努めています。

――――先代の時代と比べて、意識的に変えた点はありますか?

「死角を作らない」ということです。モニターを複数の場所に置いて、常に院内の様子や患者様の動線をチェックし、インカムで指示を送るようにしています。たとえば会計が混雑しているようでしたら急ぐように促す、特定の患者様を早く検査へ通すように伝えるといったことです。このような細やかな視点というのは、私が女性だからなのかもしれませんね。あらゆる箇所を見える化しておくことで、スタッフ達を公平に扱えますし、効率の良い運営に繋がると考えています。

02 患者様と心志に向き合う

――――槇院長は診療時、問診を重視されると伺いました。こちらの理由をお聞かせください。

痛みというのは、結局のところ当事者にしかわからないものです。だからこそ、痛みに対してどのようなアプローチをするのか、それを考えるのが医者としての役目だと私は思っています。そして、患者様の症状をきちんと知ろうと思えば、やはりご本人からいかに詳細を聞き出せるかという「問診力」が重要です。ただ問診と一口に言っても、患者様には気分の波がありますし、何か話したくないことを抱えていらっしゃるケースもあります。こういった心理的な要素が働くからこそ、問診は複雑で難しいのです。たとえば、ドライアイはよく見られる症状ですが、それが眼瞼痙攣由来のものであれば、痛みは強く出ますし、末期であれば手術をしても治せません。したがって、初期の段階できちんと見抜くことが非常に重要となります。眼瞼痙攣を含め、眼の不調にはストレスが起因となっているものもありますから、何か顕在化されていない原因がないか、話をよく聞きながら1つの症状に真摯に向き合うこと。そのすべてを含めて「問診」だと思います。

――――今後について、お考えのことはありますか。

具体的な展望はシークレットですが、テーマは常に「この医療機関がひしめく久留米市において、どのように存在していくか」です。父が健在だった頃は、「この先は住宅街が増えて、子供達が増えて、小児眼科の需要が増えるだろうね」とよく話し合っていましたが、これはその通りになっていますね。なかでも、近視の治療の選択肢として、ナイトコンタクトの需要が増加しています。また、昨今は念願叶ってICL(眼内コンタクトレンズ)を提供できるようになったのですが、それで当院を検索して来られる患者様も増加しており、有難く思っています。ただ、いつなんどきも変わらないのは、一人ひとりの患者様に向き合い続けるということです。クリニックや医師の評価は患者様の満足度によって決まるもので、その点はどうしても個人差があるかとは思いますが、だからこそ私のすべきことは、目の前の患者様に尽くすという志を持って、日々を継続していくことだけなのです。

医療法人孝友会槇眼科医院

院長

Maki Chisato

川崎医科大学を卒業後、外科医として研鑽を積んだのちに眼科へ転科。井上眼科病院グループのお茶の水クリニックや西葛西クリニック、埼玉医療センター眼科などで勤務し、2015年、先代院長である父の逝去に伴い、医療法人孝友会の4代目理事長へ就任。

https://maki-ganka.com/

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