2025-5-31

世界のベストリゾート。【フランス/オテル・デュ・パレ】

 フランス有数の保養地、ビアリッツにナポレオン3世ゆかりのホテルがある。ハイアット ホテルズ コーポレーションが運営するオテル・デュ・パレである。フランス政府が定めた5つ星を超える最上級ランクのホテル「パラス(PALACE)」として認められており、G7や首脳会談など国際的なイベントでも使用されるなど、その評価は高い。ナポレオン3世が統治した第二帝政時代の贅を伝える名ホテルの姿をご紹介したい。

皇帝ナポレオン3世ゆかりのホテル

 フランス南西部バスク地方の海辺にある町ビアリッツは、国内有数の保養地として知られている。もともと小さな漁村だったビアリッツは、19世紀に皇帝ナポレオン3世が皇后ウージェニーのために離宮を建設したことで注目を集める。その後も、イギリス王室が休暇の地として訪れるなど、その評価は高まっていった。そんな中、かつて皇后ウージェニーが暮らしていた宮殿を改装し、1854年に建てられたのが「オテル・デュ・パレ」である。

19世紀を思わせる豪奢な外観

 オテル・デュ・パレは、ナポレオン3世が在位した第二帝政期の建築様式をもとに建築された。この建築様式はルーブル宮殿やシャンゼリゼ通りの建物などにも用いられたものと同様である。豪奢な正面ゲートをくぐると、道沿いに続く庭園の先に宮殿を思わせる佇まいのホテルが出迎え、隣接した敷地にはラウンジエリアを備えた屋外温水プールを完備しており、サンルームから直接ビーチにでることも可能だ。
 館内は中央に優雅な曲線を描く螺旋階段を備え、照明から絵画、調度品に至るまで19世紀のインテリアを再現。ナポレオン3世の時代をリスペクトした装飾が多数施されている。天井が高い館内は解放感にあふれ、フィットネスセンターや海を眺望できる広さ約2,500㎡の「インペリアル・スパ」も備えビジターの心身を癒してくれるだろう。

56室のスイートを含む142の客室

 オテル デュ パレは、56室のスイートを含む142の客室を擁している。白を基調とした室内には、館内パブリックスペース同様、第二帝政時代を忍ばせる調度品が並び、ビアリッツの景色や大西洋のパノラマビューが堪能できる造りを徹底。客室はキングサイズベッドを配置した28㎡の部屋から、2台のベッドを配置したツインルーム、広さ50㎡のジュニアスイート、70㎡のファミリースイート、広さ100㎡のロイヤルスイートまで多種多様なラインナップを用意する。オーシャンビュータイプも選択できるほか、5階には独立したリビングルームとプライベートテラスを備えたルーフトップスイートがあり、海を一望しながらひと時を過ごすことも可能だ。また館内にはキッズクラブが設けられており、ペット同伴ができる点も喜ばれている。ファミリーステイできる極上ホテルとしても魅力満載だ。

充実のバー・レストラン

 滞在中の食事は朝食、アフタヌーンティー、ディナーともにルームサービスを提供している。
 ほかにも館内には全部で5か所のバー・レストランが営まれており、中でも人気を誇るのがフランス高級料理の伝統と地元の食材を大切にするレストラン「ラ・ロトンド」だ。屋外には180度海の景色が広がる中、新鮮なシーフードやビュッフェを味うことができる。
 そのほか、海の景色を望む庭園に位置するのがレストラン「ラ・テラス」。屋外の空気とともに味わうダイニングは格別だ。オープンエアレストラン「ル・サンセット」も旅行者に好評のレストランであり、名前の通りビアリッツ湾とその夕日を望む素晴らしい景色を楽しむことができる。
 そして極上のアフタヌーン ティーを味わうなら館内の「ル・サロン」へ足を運びたい。温かい飲み物、カクテル、軽食、日替わりのペストリーなどが揃うカフェとして地元民からも愛されてきた。そして1日の終わりを締めくくるのが、「ル・バー・ナポレオン3世」という名を掲げる瀟洒なバー。特製カクテル、ビンテージ シャンパン、ジンなど豊富なセレクションの数々が旅行者たちを丁重にもてなしてくれる。

海沿いの保養地で王侯貴族の旅を

 ビアリッツ近隣ではサーフィンやボディボード、スキューバダイビング、シュノーケリングなどのアクティビティも楽しめるのが特徴だ。 海洋水族館をはじめとする見どころも充実し、フランス有数の保養地の名に恥じないメニューが数多く揃っている。ビアリッツまではパリのモンパルナス駅からTGVアトランティック線で約5時間30分。海沿いの保養地オテル デュ パレを訪れ、19世紀の王侯貴族達の気分が味わいながら、心と体を癒す極上のリゾートを体感してはいかがだろうか。

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