2024-5-31

世界のベストリゾート【ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ】

 2012年にシンガポールのマリーナ湾沿いにオープンした「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」。近未来を感じさせる同植物園には、広さ100ヘクタールを超える園内に人工の巨大樹木がそびえ立ち、海沿いには全面ガラス張りのドーム型温室が立ち並ぶ。観光大国としても名高いシンガポールの一大施設に足を踏み入れた。

人と自然の共生を

 「庭園の中に都市を創造する」というビジョンのもとオープンしたガーデンズ・バイ・ザ・ベイは、ベイ・サウス・ガーデン、ベイ・イースト・ガーデン、ベイ・センター・ガーデンの3つのエリアで構成される。園内の広さは実に100ヘクタールを超え、「スーパーツリー・グローブ」、「フラワードーム」など世界最大級の建造物が点在。園内は自然と人の営みが調和する心地よい空間となっている。
 園内の中央付近に立ち並ぶ「スーパーツリー・グローブ」は、シンガポールの国花をモチーフにした18本の人工樹で構成。高さは最大で50m、16階建ての建物に相当するという。ビルのような巨大なツリーはガーデンズ・バイ・ザ・ベイのシンボルとしても知られており、周辺のマリーナベイエリアが一望できる人気ビュースポットの一つだ。

フラワードームは2015年に世界最大のガラス温室として、ギネス世界記録にも認定された。

多様な花に出会う場所

 ベイエリアを臨み佇む「フラワードーム」は、絶えず花が咲き続ける希少なスポットとなっている。オリンピックサイズのプール75個分の広さを誇る館内には、カリフォルニア、地中海、南アフリカ、オーストリアなど、世界各地の庭園が集結。生命の木と呼ばれるバオバブのほか、ドランクツリーやゴーストツリーなど、シンガポールに居ながら世界各地に自生する珍しい植物に出会えることでも人気を博している。
 またドーム中央には花畑が設けられ、季節や展示テーマにちなんだ多彩な花を用意。フラワードームは全面ガラス張りだが、環境と居住性にも配慮し、取り付けられたガラスは太陽熱を最小限に抑えながら植物に必要な光を取り込むよう設計されている。だ。古と新、人と自然が共存する姿がそこにあり、訪れるものたちをたちまち魅了する。

夕暮れが過ぎるとスーパーツリーにはイルミネーションが点灯。光と音のショー「ガーデン・ラプソディー」が随時開催され、絶好の夜景スポットへと変貌する。

雄大な自然美を感じて

 フラワードームと並び立つのが、熱帯雨林環境を再現したドーム「クラウドフォレスト」である。雲霧林と呼ばれる熱帯地方の森林を再現した館内には、35mという世界一の高さを誇る人工の滝が設置されており、幻想的な風景が広がっている。
 高低差がある建物内には、霧が立ち込める渓谷、石灰岩の森や洞窟、2000mクラスの山岳など多彩な環境を再現。先史時代のシダ、山の中腹に群生するアンスリウム、高地に生息する植物群など、熱帯雨林のさまざまな環境に生きる植物たちを目にすることができるだろう。建物中部には遊歩道「ツリートップウォーク」が設けられ、雄大な自然美を間近で堪能できる。

個性的で独創的なコンテンツ

 ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの園内各所には、ほかにもユニークな庭園の数々が点在。ドラゴンや巨大なトンボなどのモチーフを配置した「ザ・キャニオン」、1000種類以上のサボテンが生息砂漠や乾燥地帯を模した「サン・パビリオン」、200本を超える天然のマングローブが植えられた淡水保護区「カワセミ湿地」など、どれも個性的で独創的なコンテンツばかりだ。来園者を飽きさせない試みが数多く見受けられる。アクセスは市内中心部からMRTトムソン・イーストコースト線でガーデンズ・バイ・ザ・ベイ駅へ直通。シンガポールへ出向いた際には、ぜひ立ち寄りたい場所の一つだ。

「スーパーツリー・グローブ」には展望デッキや屋上のオープンエアデッキに加え、高さ22mの位置には空中の遊歩道「OCBC スカイウェイ」も備える。

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